屋根の上のバイオリン弾き (1971)  3:00:43
アナテフカの牛乳屋テビエは貧しくも信仰深く、少々口やかましい妻ゴールデ、愛らしい5人の娘、ツァイテル、ホーデル、ハーバ、シュプリンシェ、ビルケの家族と暖かい家庭を築いていた。アナテフカはウクライナ地方の貧しい小村で、市場、肉屋、かじ屋、仕立屋、宿屋などが雑然と立ち並び、屋根の上にはバイオリ弾きが、危なげなバランスを保って楽しい曲を弾いている。このバイオリン弾きが象徴するように、村もテビエも激しい現実から伝統を守って必死に生きているのだ。村じゅうが安息日の準備に忙しいある日、イェンテ婆さんが肉屋のラザールと長女ツァイテルの結婚話をもってきた。ゴールデは喜んだが、ツァイテルには仕立屋のモーテルという恋人がいた。ツァイテルはイェンテ婆さんの話をたくみにそらした。テビエは仕事の帰り道、ふと金持だったらとも思った。途中、キエフから来た貧しい、革命を夢見る学生パーチックと意気投合し、テビエはパーチックを招いて、家族に紹介し、安息日の祈りを捧げた。次の日、テビエは仕方なく、肉屋のラザールとツァイテルとの結婚を許すのだった。村の人たちは祝福し、ユダヤ人もロシア人も一緒になって乾杯した。しかし翌日、思いあまったツァイテルは、テビエにモーテルとの恋を打ち明け、結局テビエはモーテルとの結婚を許してやるのだった。反対していたゴールデも、ようやくモーテルとの結婚を認めた。やがて厳粛な結婚式がとり行われ、出席者は明日に希望を託す歌を合唱するのだった。しかしその楽しい結婚式も、突然入り込んできた警官隊にメチャメチャにされてしまった。三女のハーバはロシアの若者フヨードカと恋に落ち、パーチックはホーデルに結婚を申し込んだ。怒るゴールデにテビエはホールデの気持を説明し、たしなめるのだった。間もなく学生闘士パーチックは逮捕され、ホールデはパーチックを追ってシベリアに旅発った。三女のハーバもフヨードカのもとへ走った。政情は悪化する一方で、ついにユダヤ人の強制退去命令が下った。村人たちは次々と村を離れていった。家財道具を積み込み、静かに村を離れていこうとするテビエに、バイオリン弾きがもの悲しい曲を奏でて後にしたがうのだった。

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