アスファルト・ジャングル (1949)  1:52:04
大掛かりな宝石泥棒を計画実行した集団の顛末を描いたハードボイルド作品。計画を立てた冷静沈着なドイツ人、胡散臭い弁護士、屈強な田舎者のチンピラ、凄腕の金庫破り、醜い容姿の運転手、気の弱い小悪党のノミ屋…。寄せ集め集団の悲しさか、宝石泥棒は成功するも裏切り者の出現や、予期せぬ事故などで徐々に追い込まれていく面々…。6人のキャラが個性的で、派手さはありませんが、計画実行のシーンにはリアリティーがあり、裏切り者が本性を表すシーンには緊張感が漂っています。光と影のコントラストを強調した映像も秀逸。犯罪映画の名作であると同時に、後の同類の作品にも多大な影響を与えたと思われる一本です。
たった1シーン、40秒ほど、下積み時代のマリリンが出演している映画。マリリンのシーン、探偵グルニオン(グルーチョ・マルクス)の事務所に入ってくる彼女。セリフは、「グルニオンさん、助けて」「尾行されてるの」。ハイヒールのかかとを切ったという伝説的なシーン!しかも1分に満たない登場シーンでも、なんとインパクトがあることか! この頃から、もはや、ただものじゃないです!
映画は、ナンセンスなコメディで有名なマルクス兄弟が出演しているもの。この兄弟は5人。チコが長男で、以下、ハーポ、グルーチョ、ガモ(映画には出ず)、ゼッポ(途中で脱ける)。本作には、上の3人が出ている。兄弟として最後の作品となったこの映画について言えば、たいして面白くないと思う。一言も話さずにパントマイムで見せるハーポが中心のお話。原作も彼。
ロマノフ王朝のダイヤモンドを、それと知らずに偶然ハーポが手に入れてしまったことから起きるドタバタ。コートのポケットから、いろんなものが出てくるのは面白い場面。とてもポケットに入りそうにない長いものや、果ては犬まで。ハーポのパントマイムをチコが解読しようとするところも、連想ゲームみたいで少し面白かった。

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