人生模様 O.HENRY'S FULL HOUSE (1952)
 短編小説の神様O・ヘンリーの代表作5篇を当時のFOXの一線級がオムニバスで映画化。第1話「警官と讚美歌」は、気位高い浮浪者が避寒対策に無銭飲食などをして留置所入りを目指すも、ことごとく失敗するという話で最後に皮肉な落ちがある。H・コスター演出で、主演のロートンがさすがにうまい。第2話「クラリオン・コール新聞」は刑事とギャング(ウィドマーク)の旧友同士の義理人情を描く、H・ハサウェイ作品で出来は凡庸。第3話、御存知「最後の一葉」は監督ネグレスコの美術センスが効いて乃第点。ヒロインにA・バクスター。4話目は「赤酋長の身代金」。大地主の息子を誘拐したら手のつけられぬイタズラ坊主でのしをつけて返す破目に……というホークス的ドタバタは空回り。で、第5話、言わずもがなの「賢者の贈り物」。貧しい若夫婦にF・グレンジャーとJ・クレインが扮し、やっぱり泣かせます。監督はH・キング。情話ものを得意とする人がまず結果を出した感がある(当たり前だよね)。

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