七年目の浮気
リチャード・シャーマン(トム・イーウェル)は出版社の編集者。中年に近い恐妻家の男だが、避暑に出かける妻ヘレン(イヴリン・キース)と息子のリッキー(ブッチ・バーナード)を飛行場で見送り、妻君の口うるさい忠告に閉口してひとりアパートに戻った。ところが彼の部屋の1階上には、部屋主の避暑旅行の留守期間だけ住みこんだテレビに出演している娘(マリリン・モンロー)がいた。その悩ましさを印象づけられたシャーマンは落ちつきをなくし、止むなく出版予定の精神病医ブルベイカー博士の原稿を読み始めた。やがてシャーマンは、自分が女たらしになる妄想の糸をたぐり出し、女秘書モリスから妻の女友達エレンまで、さまざまな女たちに誘惑される想像にふける。と、そこへ妻から長距離電話が。ヘレンは、旧友の作家トム・マッケンジーに会ったと言う。シャーマンの心はおだやかでなくなり、ふとしたきっかけで階上の娘を自室に招くが、現実の世界は妄想のようにはうまく運ばず、彼はことごとにヘマをする。翌朝、出社したシャーマンがブルベイカー博士の原稿を読むと、結婚7年目の男の浮気心を「7年越しのムズムズ」と説明している。自分もちょうど結婚7年目なのでいたく良心を責められるシャーマンだが、妄想は又もや始まる。たまりかねて妻に電話をかけると、マッケンジーとドライヴに出かけたという。アパートに戻ったシャーマンは、階上の娘をさそって映画を観に行く。自分の部屋はクーラーがないので暑くて眠れない、という娘を自分たちの寝室に寝かせ、シャーマンは居間で一夜を明かす。翌朝、又もやノイローゼ的妄想を始めたシャーマンに、娘は昨夜のお礼の接吻をする。そこへマッケンジーが突然訪ねてきた。シャーマンは、ヘレンが離婚する意志を伝えにやって来たと誤解し、トムを殴り倒してヘレンの元へ飛んでゆくのだった。



真夏のマンハッタン。出版社に勤めるサラリーマンのリチャードは、妻がバカンスで留守の間に2階の部屋に越してきたチャーミングでグラマラスな女性(マリリン・モンロー)に一目惚れ。偶然にも、精神科医が彼の元に持ち込んだ原稿に結婚後7年目に浮気をする確率が高いということが書かれていて・・・。次第に2階の女性への恋心と妄想が交錯していくリチャード。さて、リチャードの恋の行方は?地下鉄の通風口の上に立つマリリン・モンローのスカートが風で巻き上がるシーンがあまりにも有名な映画です。
モンローは演技をしているのか“地”なのか?それぐらいモンロー的魅力があふれています。感じたことをそのまま素直に口にする彼女に振り回されてリチャ−ドは我を忘れていきます。もちろん、その前提には映画のテーマである“7年目のカユミ”ならぬ“7年目の浮気”の提言があるわけですが。それにしても、妄想に弄ばれるリチャ−ドを見ていると想像力は何にも増して人生を楽しくするのだと感心!そして、これは彼の職業である編集者の最大の素質でもあります。もしかしたら、実際の浮気よりも断然ハッピ−かもしれませんね。

inserted by FC2 system