羅生門 (1950)  1:27:42
平安時代。荒れ果てた都の羅生門で、杣売りと旅法師が放心状態で座り込んでいた。そこへ雨宿りのために下人がやって来る。下人は退屈しのぎに、2人がかかわりを持つことになったある事件の顛末を聞く。
ある日、杣売りが山に薪を取りに行っていると、武士・金沢武弘の死体を発見し、検非違使に届け出た。次に旅法師が検非違使に呼び出され、殺害された武士が妻・真砂と一緒に旅をしているところを見たと証言した。
やがて、武士殺害の下手人として、盗賊の多襄丸が連行されてくる。多襄丸は女を奪うため、武士を木に縛りつけ、女を手篭めにしたが、女が「生き残った方のものとなる」と言ったため、武士と一対一の決闘をし勝利した。しかし、女は逃げてしまったと証言した。
しばらくして、生き残っていた武士の妻が検非違使に連れて来られた。妻は多襄丸に手篭めにされた後、多襄丸は逃亡し、妻は夫に自分を殺すよう訴えるが意識を失い、意識を取り戻したら、夫には短刀が刺さって死んでいた。自分は後を追って死のうとしたが死ねなかったと証言した。
そして、夫の証言を得るため、巫女が呼ばれる。巫女を通じて夫の霊は、妻は多襄丸に手篭めにされた後、多襄丸に情を移したが、多襄丸は妻を生かすか殺すか夫が決めていいと言ってきた。しかし、それを聞いた妻は逃亡した。多襄丸も姿を消し、一人残された自分は無念のあまり、妻の短刀で自害したと証言した。
しかし、杣売りは下人に「3人とも嘘をついている」と言う。杣売りは実は事件を目撃していたのだ。そして、杣売りが下人に語る事件の当事者たちの姿はあまりにも無様で、あさはかなものであった。

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