プラオサン寺院 (Candi Plaosan Lor)

プランバナンの北東2kmにある。その壮大さや作風がシヴァ神殿「ロロ・ジョングラン」と似ていることから、プランバナン寺院群と同時期に建てられた仏教寺院で、設立時はセウ寺院同様、広大な境内が無数の仏堂で埋め尽くされていました。南北二つの寺院群に分かれ、北では116棟の小祠堂(ペルラワ)と236基のストゥーパ(仏塔)、南では16棟のペルラワと69基のストゥーパが、それぞれ寺院を囲んでいます。
建設されたのは一群のプランバナン周辺寺院群では最も遅く、ラカイ・ピカタン王 (位838?−c.851?) とその妃プラーモーダヴァルダニーによって9世紀中頃に造営。
寺苑は全体で南北約380m、東西約90mあり、西側に隣接してほぼ同じ広さの石工事の跡が発見されています。この寺苑の真ん中辺りで90m離れて寺苑は北プラオサンと南プラオサンに分かれます。南プラオサンは70×90mの周壁に囲まれた寺苑の中央に、復元された主堂とそれを囲む16基のペルワラ、69基の小ストゥーパがありますが、荒廃したままになっています。
北プラオサンはさらに南北2つのグループに分けられ、南が148×87m、北が60×87mの周壁に囲まれています。北グループはかつて主堂を65基の小ストゥーパが囲んでいたと考えられますが、現在は切石が散乱しているのみで、荒廃しています。
南グループは現存する主要部分で、西正面に一対のラクシャサに守られた2つの門のある外周壁に囲まれた寺苑中央に南北2棟の僧房チャンディが建つ内苑があります。2棟のチャンディはそれぞれ西正面に門のある、厚さ90cm、高さ2mの周壁に囲まれ、2棟の間にも門のある隔壁が立っています。周壁の四隅と隔壁の接点には正方形の小堂が建っています。この周壁の外周を、計58のペルワラと116の小ストゥーパが3重に取り囲んでいます。1941年、ペルワラと小ストゥーパが1棟ずつ復元されています。
1960年に復元修理された北プラオサン南グループの南堂は、14.2×21.6mで西に3.5×9mの突出部がつき、その先にS字型翼壁のついた階段のある高さ2.1mの基壇を持ち、その上に重層の身舎が載ります。身舎は西側に単層の前室が突出し、3層段台ピラミッド型の屋蓋が載って全高20.5mです。その内部は3室に分けられ、各室には東側奥に仏像を安置する台座があり、各部屋の隔壁に開いた通路で行き来することができます。3室の上部には木造の床板で仕切られた上階が存在していた痕跡が残っています。碑文によると寺院は856年には完成していたと考えられています。

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